自動車小売業 商標出願のポイント

近年の自動車小売業界は円安も追い風となり、各社業績を回復。世界的な景況感の回復などを背景に、先進国、新興国ともに好調な自動車販売数を記録しています。長期的に見れば世界の自動車市場は拡大傾向にあり、1人あたりのGDPの伸びに伴ったインドネシア、フィリピンやインド等への今後の市場の拡大が期待されます。

 

自動車小売業で必要な商標区分は?

自動車小売業界といっても多くの事業が存在します。どのような商標区分を押さえていけばいいのか、具体的な例を見て確認をしてみましょう。

 

業績ランキング上位の”本田技研工業株式会社”の日本の商標登録情報を見てみるとHONDA(登録1415753)にて、下記のように登録がされています。

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●7類 :内燃機関(陸上の乗物用のものを除く。),陸上の乗物用の内燃機関の部品,動力耕運機

●12類 :陸上の乗物用の内燃機関(その部品を除く。)
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その他、様々な会社の例をみると下記のような表にまとめることができます。

必要区分一覧

区分 指定商品 代表例
7 自動車の発動機の部品,二輪自動車の機関の部品  –
12 自動車,自動車用エンジン,自動車用軸受け,自動車用軸継ぎ手,自動車用変速機,自動車用自動変速機,自動車用ばね,自動車用ブレーキ,自動車並びにその部品及び附属品,自動車の発動機(その部品を除く。),自動車のベアリング,自動車の緩衝器,自動車の制動機,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,二輪自動車の機関(その部品を除く。),二輪自動車・自転車のベアリング,二輪自動車・自転車の歯車,二輪自動車・自転車のブレーキ,自動車の車輪,二輪自動車・自転車の車輪 ドローン、自動運転自動車
36 中古自動車の評価 電子決済サービス
37 自動車の修理及び整備
39 自動車の貸与
※各国毎に区分の揺れが多少あるため出願時の確認が必要です。

 

補強区分/指定商品の追加について

 

●9類 :自動運転車用コンピュータプログラム,輸送車両の予約・配車の管理に使用されるコンピュータソフトウェア

●12類 :自動運転車

●38類 :電話による通信,携帯電話による通信,コンピュータ端末による通信,モバイル機器による通信,電気通信

●39類 :インターネットを利用して行う車両による輸送に関する情報の提供,輸送

●42類 :輸送車両の予約・配車の管理に使用されるオンラインによるダウンロード不可能なソフトウェアの一時的利用の提供

 

自動運転車の出願状況

 

株式会社ディー・エヌ・エーが出願している「ロコモ(商願2017-87626)」。9類「自動運転車用コンピュータプログラム」や12類「自動運転車」等、,12,16,35,37,38,39,41,42,45類での出願がされています。

株式会社ディー・エヌ・エーは自動運転社会を見据えた新しい地域交通のあり方を検討する「無人運転サービス・AIを用いた地域交通課題解決プロジェクト」を2017年4月24日より開始しており、下イメージは自動運転バスの「Robot Shuttle(ロボットシャトル)」。予め作成した地図データに設定したルート上をカメラ、各種センサー、GPSを用いて自車両の場所を測定しながら自動で走行する自動運転車です。

Robot Shuttle(第5934863号)は、9類「自動運転車用コンピュータプログラム」や12類「自動運転車」等、9,12,35,39,42,45類での登録がされていました。

 

オンデマンド・モビリティ・サービスの展開

 

今自動車業界に起きている何よりも注目すべき変化が、「サービスとしての車」の登場です。すでに有名なUberやLyftだけでなく、自動車メーカーやその他の企業も、この市場への参入を始めています。

【左図】Uber(ウーバー)は、タクシーをアプリで呼ぶことができる画期的なサービス。毎月約1億回の乗車が行われ、世界中で多様な移動手段を提供しています。Uberロゴ(第5650519号)は9類「輸送車両の予約・配車の管理に使用されるコンピュータソフトウェア」や42類「輸送車両の予約・配車の管理に使用されるオンラインによるダウンロード不可能なソフトウェアの一時的利用の提供」等、9,38,39,42類での登録がされていました。

 

また、「次世代モビリティ」と呼ばれる、従来の車とは規格が異なる超小型電気自動車。各自動車メーカーが独自の車種を製造しています。

【右図】チョイモビは、日産と横浜市の”環境と共存できる未来をつくる”という思いから生まれた新しい移動のカタチ。、さくっと好きな場所で返せる”ワンウェイ型カーシェアリング”です。

チョイモビ(第5636312号)は38類「電話による通信,携帯電話による通信,コンピュータ端末による通信,モバイル機器による通信,電気通信」等、Uberロゴ(第5650519号)と同じ区分9,38,39,42類での登録がされていました。

 

http://fubarradio.com/technology/ride-free-with-uber/、http://seshimo.tv/trip039/

 

指定商品は事業内容と伴っているか?

商標は登録を一度したからといって、今後同一の文字列・ロゴでの取得をすることが不要というわけではありません。新しい事業展開があった場合などには、都度商標区分の確認が必要です。検討をする時期の例は以下の通りです。

■ 新規事業立ち上げ時
■ 海外進出検討時
■ 商標制度の変更時