USPTO(アメリカ特許庁)の2018年商標出願数第一位は?

  

世界経済の中心であるアメリカは、様々な企業が日夜しのぎを削っています。そんなアメリカで特許庁から2018年の商標出願数ランキング
(クラス数を計算)が発表されました。想像する勢いのある企業は入っているのでしょうか?

  

順位社名出願クラス数カテゴリ
1TargetBrands,Inc.645小売り
2AristocratTechnologiesAustraliaPtyLtd.580ゲーム
3AmazonTechnologies,Inc.510IT
4LidlStiftung&Co.KG324小売り
5SamsungElectronicsCo.,Ltd.300電機
6NovartisAG294製薬
7WalmartApollo,LLC291小売り
8ALDI,Inc.266小売り
9MIPH,LLC264
10BRANDSTERBRANDINGLTD.255
11HomeDepotProductAuthority,LLC252生活雑貨
12Johnson&Johnson251製薬
13DaimlerAG237自動車
14GXI,LLC235
15EliLillyandCompany228製薬
16BALLYGAMING,INC.213ゲーム
17WayfairLLC195生活雑貨
18LGELECTRONICSINC.193電機
19TwentiethCenturyFoxFilmCorporation193エンタメ
20WarnerBros.EntertainmentInc.192エンタメ
21E.&J.GalloWinery185飲料
22BAIDUONLINENETWORKTECHNOLOGY(BEIJING)182IT
23MerckKGaA176製薬
24MATTEL,INC.173玩具
25AinsworthGameTechnologyLimited169ゲーム
26AGSLLC166商社
27EpicGames,Inc.166ゲーム
28KONINKLIJKEPHILIPSN.V.158電機
29FormulaOneLicensingB.V.152スポーツ
30MicrosoftCorporation139IT
31Bereber,Brian137
32GoogleLLC135IT
33SouthernAfricanDevelopmentCommunity135非営利組織
34H.LundbeckA/S132製薬
35TEMASEKHOLDINGS(PRIVATE)LIMITED132投資会社
36AlibabaGroupHoldingLimited130EC
37MaisonBattatInc.130玩具
38SpringsGlobalUS,Inc.130生活雑貨
39NVIDIACorporation129半導体
40Obshchestvosogranichennoyotvetstvenno129
41TencentHoldingsLimited128IT
42L’OrealUSACreative,Inc.126化粧品
43uBiome,Inc.125ヘルスケア
44AT&TIntellectualPropertyII,L.P.124通信
45MedlineIndustries,Inc.122ヘルスケア
46RafflesInvestments(Proprietary)Limited122投資会社
47AppleInc.119電機
48SonyCorporation119電機
49TheProcter&GambleCompany119生活雑貨
50CASCADESCANADAULC117製紙

出典:USPTO(米国特許商標庁)

  

ランキングをみると、ソニー社が日本では唯一のランキング入りです。製薬、IT、電機業界の出願が多いことはおよそ想像がついていましたが、小売りや生活雑貨の企業が多いことは意外でした。改めて深掘りはしていきたいと思いますが、小売りだけではなく、プライベートブランドによる製造販売が増えているのかもしれません。日本でも同じ流れですね。

1位に入った小売りのTarget Brands社について少しみていきましょう。

  

Target Brandsとは?

今回のランキングを見るまでは正直まったく知らない企業でした。Target Brands社は、1902年創業し、北米を中心として雑貨やアパレルなど
様々な製品をディスカウント価格で提供する事業を展開しています。

この企業のブランドである”Target”で検索をしてみました。よくある英単語のため多くの権利者がいるのですが、 Target Brands社の事業の中心である北米以外にオセアニアでも多くの出願登録があることが分かります。

  

出典:WIPO

  

オセアニアの権利者を見てみると、”TARGET AUSTRALIA PTY LTD”でした。Target Brands社の子会社なんだ、と思ったのですが、少し違うようです。wikiでみると、全く資本の異なる会社とのことでした。 ”TARGET AUSTRALIA PTY LTD”は、1926年にオーストラリアで創業した企業だそうです。

でもwikiの情報がなかったら、まったく資本関係がないことは絶対わからない気がします。ホームページを見てみましょう。

  

Target Brands社

出典:https://www.target.com/

  

TARGET AUSTRALIA社

出典:https://www.target.com.au/

  

アジアカップ2019で起きたオオサコ事件のような、人違いならぬ、ブランド違いが起きそうな感じですね。(※オオサコ事件とは、サッカー選手の大迫とマラソン選手の大迫の区別がついてない方が人違いtweetをしてしまった事件。)

”Target”という文字列だけでなく、ロゴもなぜここまで似たのかが偶然だとも思えませんが、 商標も同じであれば、需要者も同じですので 両社が各国でブランド展開するときには、大変ですね。

  

ブランド考案時の注意点

おそらく今回の二社については、すみ分けを上手くしているのではないかとは思いますが、人の発想は似るのだなと改めて感じました。

ブランドがバッティングしてしまうと、色々と事業のスピードが落ちてしまいます。(ブランド利用のためのライセンスの交渉などが発生、需要者のへの周知のための広告宣伝など)そうしたことを避けるためにも、ブランドを考案する時には、いくつか注意したいですね。

  

  • ブランド考案のときからマーケティング、知財の観点から似たブランドの有無を把握していく。
  • 英単語そのまま、少ない文字列であると、常にではないが、マーケティング・知財的にも他社と区別する力が弱いことを意識する。

 

この2点を意識するだけでも、未然に他社との係争を避けることができ、将来の事業展開のスピードが上がりそうです。マーケティング担当と知財担当の距離が近い企業は、強いブランドを考案しやすいのかもしれません。

ご参考までに、強いブランドを作るためのイメージをよくご紹介するときがあります。以下がそのスペクトラムです。

出典:GMOブライツコンサルティング

  

権利が取りやすいのは、簡単に言ってしまえば造語です。また、他社とも区別をしやすいため、市場で目立つこともできます。しかしながら、どういった事業なのかは発信できないことが多いため、ブランドと事業内容を結び付けるための広告宣伝費はかかります。表を見ていただければわかりますが、どんなブランドを考案するかによって、ネーミングの発想も変わってくるのではないかと思います。

せっかくのブランドですから、大切に育成をしていきたいですね。

弊社ではよくブランドを考案するマーケティングサイドの方とブレストをする機会をいただいています。ネーミングを考案する力はあるけど、権利的な観点が欠けてしまうという方がいらっしゃれば、お手伝いできることがあるかもしれません。是非ご連絡ください。  

  

〈ライタープロフィール〉
寺地 裕樹(てらち ゆうき)

GMOブライツコンサルティング株式会社
営業本部 IPソリューション部
consul@brights.jp

2008年に入社後営業部の主力メンバーとして、営業数字を牽引。2012年には、当時最年少で営業部部長に就く。現在は、商標・ドメインネームに関するコンサルティングを主に行うIPS部、営業部、営業管理部を率いる営業本部副本部長として従事。趣味は、家族と週末農家、インラインスケートなど。

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