中国電子商取引法施行後の状況は?

  

中国電子商取引法が施行された背景についてはあまり知られていません。
今回は本法律が施行されることになった背景についてご紹介します。

  

CtoCのユーザーは約5倍へ成長

中国国内で海外の商品を購入する動きはこの5年で急速に拡大しました。 2013年のCtoCのユーザー数は1,800万人であったのに対し、2018年には8,800万人へと約5倍の成長を遂げました。

マーケットが急成長していく中、海外から商品を代理で購入し、中国で販売する組織化された転売人や、 一個人が海外旅行先で大量に商品を購入し、帰国後小遣い稼ぎのために商売をするような出品者が増えていくに従い、年商数億円を稼ぐようなモンスター出品者が台頭し始めたのがこの数年の出来事です。そして、非正規の販売ルートで荒稼ぎをするこれらモンスター出品者は、貿易を行っているという認識は薄いため商品にかかる税金は払っていません。

この点を中国政府の関連部門は見過ごしませんでした。これらモンスター出品者から正しく税金を納めてもらい、税収の大幅なアップを見込めると考えました。脱税行為を行っている出品者からの税収は、年間で数千億円が見込まれていると言われています。

電子商取引のクリーンな運営を目指すために、中国政府は本気でECサイトのマーケット構築に乗り出します。その第一弾が、電子商取引法だったのです。

  

電子商取引法のポイント

これまで営業許可なしに貿易行為を行っていたCtoCプラットフォームをはじめとした電子商取引に携わる出品者は、営業許可証を提示し、正しい輸出入(一般貿易)を行って税金を納めなければなりません。全てが正規ルートに切り替わることで、メーカー側も確実に商品管理が出来るようになるため一体どのくらいの商品が非正規で中国に流れ、販売されているのか分からないといった状況が今後はなくなっていきます。

  1. 中国政府が本腰を入れてECサイトの安全な取引に関する姿勢を見せた
  2. C2Cをはじめとした電子商取引のプラットフォームを正規化し、健全なサイトを構築する
  3. 出品者による脱税が出来なくなる
  4. 営業許可証を持たないソーシャルバイヤー、転売屋はなくなっていく

納税義務は例外を除き電子商取引を行う全ての出品者が対象となりますが、当面は上述した年間数億円を稼ぐモンスター店舗がターゲットとなるのではと言われています。月間の売上が少額の代理購入を行う個人販売者に対しては、今後どうなるのか、中国政府関連部門から明確な指針は出されていないため、今後の動向を着目していく必要がありそうです。

  

クリーンなプラットフォームの構築へ

中国の消費者の欲求を満たすべく、海外の消費材を積極的に中国国内に販売していく動きはこれからも変わりません。これまでグレーゾーンにいた脱税をしている出品者を排除していくこと、模倣品等の侵害行為のある出品者を排除していくことで、安心して買い物が出来るように変わっていくことが期待されます。

ただ、運用規則等の整備でまだまだ時間がかかることが見込まれるため、当面はURLの削除対応の必要性は求めれるのではないかと考えます。

  

〈ライタープロフィール〉
安達 孝裕(あだち たかひろ)

GMOブライツコンサルティング株式会社
IPソリューション部/模倣品対策チーム
consul@brights.jp

2017年に入社。ECサイトの削除対応や現地の模倣品対策担当として従事。中国に7年いた経験を活かし中華圏の対応を得意とする。ECサイトで真正品と模倣品を判別する能力に長けており、新しいECサイトの削除対応にチャレンジ中。趣味は家族とドライブ、中国での偽物探し。

  

  

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