タオバオの誠信クレームプログラム(Good-faith Takedown Mechanism)とは?

アリババグループのBtoCサイトタオバオ(taoba.com)の知的財産権侵害申立て制度には、「一般会員」と「上級会員」があるのをご存知でしょうか。

画像出典:https://ipp.alibabagroup.com/goodFaithTakedown.htm

上級会員は、誠信クレームプログラム会員(Good-faith Takedown Mechanism)と呼ばれ、次の3つの条件を満たした場合に自動的に上級会員へ参加できる制度となっており、以下の条件を満たした場合に上級会員へ参加出来ることになります。

  1. 3か月間の申立件数が100件以上
  2. 3ヶ月間のURL削除成功率が90%以上
  3. 出品者からの反論による反論成功率(申立削除失敗率)が5%以下

タオバオの削除は難しい?

タオバオは、アリババ(1688.com)をはじめとするアリババグループの各ECサイトの中でも、URL削除申立制度の運用が厳しいサイトとなっています。模倣品であることを証明するためには、必ず真贋鑑定資料を提示しなければなりませんし、真贋鑑定資料を提示したとしても、タオバオ側の担当者の判断により削除が出来ないことがあります。
また、全く同じ侵害根拠の削除申立てを複数回行った際、1回目は成功したのに2回目は削除が成功しなかったというケースもしばしば生じたりします。

一方で、BtoBのアリババ(1688.com)では、出品情報に商標権が無断で使用されている事実があれば、出品されている商品が仮に本物であったとしても削除が成功してしまう状況にあるため、URL削除申立制度の運用がタオバオよりも緩く設定されている状況にあります。
このためタオバオでは、侵害行為の根拠となる正確な情報をサイト側に提示したとしても、削除が成功しない割合が他のアリババグループのECサイトよりも高いと言えます。ではその原因は一体どこにあるのでしょうか。

理解すべき一般会員と上級会員の違い

一般会員では、URL削除申立を行うごとに審査を行う担当者が異なるという事情があります。審査を行う担当者のレベルには、経験の浅い者と熟練者との差が激しいため、全く同じ侵害根拠の削除申立てを複数回行った場合に、削除が成功する場合と失敗する場合が生じてしまうのです。
ところが上級会員になると、タオバオ側の削除担当者が固定されるというメリットがあるため、タオバオ側の判断ブレのリスクが減少します。このほか、上級会員には次のようなメリットがあります。

上級会員のメリット

①申立後の審査期間短縮

②申立資料の簡素化

③月一で申立窓口担当へ電話会議の予約が出来、課題解決に向けて相談することが可能

上級会員に参加するためには先述した参加条件をクリアする必要があります。上級会員になれば、一般会員で、もどかしい想いをしながら削除申立を行うストレスから解放されるほか、タオバオ側と連携しながら効率のよい削除対応が可能となりますので、当社としても上級会員に参加することをブランド権者に皆さまにお勧めしています。

新運用でチャンス到来

本制度は2015年にタオバオのURL削除申立で導入されたもので、現在もタオバオのみで運用されています。新しい運用の試験運用が2018年4月から開始され、同年8月から正式に新運用が開始されました。旧運用では、タオバオ側担当者の審査が入り、上級会員の招待を受けなければ参加出来ませんでしたが、新運用では、機械的に削除成績を判断し平等に上級会員へ上がれる機会がもたらされました。


本件についてご興味がある方は当社までお問合せください。

〈ライタープロフィール〉
安達 孝裕(あだち たかひろ)

GMOブライツコンサルティング株式会社
IPソリューション部/模倣品対策チーム
consul@brights.jp

2017年に入社。ECサイトの削除対応や現地の模倣品対策担当として従事。中国に7年いた経験を活かし中華圏の対応を得意とする。ECサイトで真正品と模倣品を判別する能力に長けており、新しいECサイトの削除対応にチャレンジ中。趣味は家族とドライブ、中国での偽物探し。

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