出願商標からもうかがえる、目が離せない「wearable」市場の展開

昨年からブームに火がついた完全ワイヤレスイヤホンの人気急上昇により、各イヤホンメーカーもワイヤレスイヤホンを相次いで発売し、“流行”は“定着”へと移行しつつあります。今、この盛り上がりが他のウェアラブルデバイス市場にも大きな影響を及ぼすのではないかと言われています。

世界最大の商標データベースGlobalBrandDatabaseで、指定商品”wearable(ウェアラブル)”を含む出願商標は33,390件。出願件数を年別に確認した結果がこちら。

総務省が発表する「ウェアラブル市場の推移及び予測」では、今後2020年まで市場の規模が右肩上がりとなることが予測されています。出願件数も年々増加しており、引き続き2018年下半期の出願件数の伸びが期待できる結果ではないでしょうか。

2018年度の出願から注目企業が見えてきた

2018年度の出願件数は、5,276件。その内、出願件数の多い権利者TOP5はこちら。

順位 権利者名(国) 出願件数
1位 HUAWEI(中国) 78
2位 APPLE(アメリカ) 73
3位 SAMSUNG(韓国) 43
4位 TENCENT(中国) 35
5位 Amazonテクノロジーズ(アメリカ) 33
5位 LG(韓国) 33
5位  ONEMT(サウジアラビア)  33

名だたる企業の中に見慣れない企業が1社。5位にランクインしたONEMTは2015年に創立されたサウジアラビアの企業。モバイルゲームを主力商品とした世界展開をしており、2017年、Alibaba(中国)モバイルゲームの国際配信エコシステムの構築に10億人民元(約164億円)を投資した世界4社の内の1社。今後更なる飛躍が期待できる企業ではないでしょうか。

同社が2018年に出願している33件の出願の内、ロゴの出願商標の指定商品はこちら。9類に”wearable”を指定した出願商標。指定商品から、「ウェアラブルなメガネとヘッドセットを装着することで、ゲームの映像や音楽を楽しめゲームプレー機器」が想像できます。現時点で市場にこのような製品の存在は確認できませんが、同社の出願商標はほぼ全て上記内容で出願をしていることから、このような製品リリースに期待が高まります。

2018年度の区分から多種多様な展開が見えてきた

続いて注目したい点は「区分」です。2018年に”wearable”を指定した区分別出願数がこちら。

ソフトウェア等が対象で、wearableの主力区分と考えられる9類が4,067件と圧倒的に多い数字。また、9類以外の商品区分で上位にランクインしている区分は、洋服や履物等が対象となる25類、おもちゃ等が対象となる28類、医療用品等が対象となる10類、鞄等が対象となる18類、時計などが対象となる14類、雑誌等が対象となる16類、照明などが対象となる11類。上位にランクインしたこれら製品とwearableが深くかかわっていることが予測できます。実際に、どのような製品サービスが存在しているのか見て参りましょう。9類の出願商標から、下記縦横軸で分類した結果、様々な製品サービスが確認できました。

上記はほんの一例です。例えば、スマホ連携は「時計」のみではありません。衣服や靴、文房具など、様々な形態のwearable製品サービスの展開や存在が予測できます。より深く出願商標を見ていくことで、上記リストにはない多種多様な形状のwearable製品が見つけられるでしょう。そして、技術の発達により、ますます進化していき、私たちの予想を超えていくであろう、wearableから目が離せません。

〈ライタープロフィール〉
中山 礼美(なかやま れいみ)

GMOブライツコンサルティング株式会社
IPソリューション部/メディア担当
consul@brights.jp

2011年に入社後営業サポート業務に携わり、2017年5月よりメディア担当者として、商標やドメインネームの業務を学びながら記事を発信。様々な業界のトレンドを意識した記事作りの難しさに奮闘中。趣味は食べるコト、プチプラでお得感の高いものを探すこと。