エナジードリンクで地位確立、「レッドブル」から学ぶブレないブランドへの想い

1987年にオーストリアで販売をスタートした後、日本でも2006年の発売以来親しまれているエナジードリンク「レッドブル」。赤い闘牛のロゴと青い缶が象徴的なパッケージ。「レッドブル、翼をさずける」というキャッチコピーでユニークなCMや、大きな缶を乗せたようなキャンペーンカーを走らせるなど、今までの”エナジードリンクはおじさんっぽい”というイメージを払拭し、若者や女性など新しい市場を開拓しました。

世界のエナジードリンク市場で70%もの占有率を誇る「レッドブル」は、ブランド育成に力を入れているのです。同社のドメインと商標の知財管理状況から、「ブランドへの想い」をご紹介いたします。

Redbull.comへの集約

スポーツ界でのスポンサー活動が積極的なレッドブル。様々なスポーツイベントを世界中で開催しており、それぞれのスポーツにおいてWEBサイトを立ち上げています。確認をしたところ、「airrace.redbull.com」「crashedice.redbull.com」「xfighters.redbull.com」「cliffdiving.redbull.com」と、全てのサイトにおいて「redbull.com」ドメインを使用した、サブディレクトリのURLを使用していました。画像出典:http://airrace.redbull.com、http://crashedice.redbull.com、http://xfighters.redbull.com、http://cliffdiving.redbull.com

同社がスポーツ界でのスポンサー活動を行う目的は「レッドブルブランドを知ってもらうこと」であり、全てのサイトを「redbull.com」に集約して運営している姿勢は、レッドブルブランドが根本にある上での活動であることが伺える姿勢ではないでしょうか。

さまざまな「redbull」を把握

WIPO仲裁調停センターによると、”redbull”を含むドメインの仲裁は64件確認できます。下記、仲裁を行ったドメイン一例です。

redbull.mobi
redbullcompetition.com
pokerredbull.com
teamredbullsmlsshop.com

”redbull”完全一致のドメインだけでなく、ホスト名に”redbull”が含まれるドメインに対しても対処していることがわかります。また、”redbull”が含まれるものだけでなく、「redbul.com(”redbull”の”l”がひとつ少ない文字列)」に対しても対処していることから、”redbull”が含まれるドメイン+”redbull”に酷似した文字列に対しても監視をしていることがわかります。このような案件から、「redbull」ブランドに対する想いが伺えるのではないでしょうか。

同社は、redbull.com、redbull.ch、redbull.co.ilなど「redbull」という用語で構成された200を超えるドメイン名の登録者であり、”redbull”を非常に重要なブランドとして、知財管理の運用管理を行っているのです。ブレない想い、伝わってきませんか?(*弊社では監視及びアクションなど、ドメインに関する各種対応が可能です。詳しくはこちら

「レッドブル、翼をさずける」

これはレッドブルが1987年に世界で初めてオーストリアで販売開始した際に使われたキャッチコピー。現在でも世界中で使われており、CMや広告などで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

国外では「GIVES YOU WINGS」のコピーで使われており、GDBで検索した結果57件もの出願商標が確認できました。日本の商標データベースであるJ-PlatPatでは、「翼をさずける」「GIVES YOU WINGS」の、日本語(現地語)と英語表記の出願が確認でき、世界各国へ”現地語”と”英語”の2パターンの権利化を進めていることが予測できます。

また、興味深いことに、「givesyouwings.com」が「redbull.com」へ転送される仕様となっており、「GIVES YOU WINGS」というブランドネームを、商標のみならず、ドメインにおいても重要に扱っていることが伺え、手厚い権利保護の状況が垣間見れました。

缶のブルタブでブランディング

2003年、ドイツは環境問題に対処するため、飲料缶のデポジット制度を導入しました。小売店がデポジット制のために缶飲料の販売に消極的になったら、レッドブルの売り上げに大きな影響が出るため、このデポジット制度の導入はレッドブルにとって頭の痛い問題でした。レッドブルの商品は缶のみしか展開していませんでしたが、ペットボトル製品に切り替えることはせず、缶のプルタブを「雄牛」の形にくり抜き、それを目印にして、むしろ缶の回収を奨励しました。これにより、レッドブル缶を持っていけば、その店で買ったものでなくても換金できるという、特別なルール適用され、積極的な回収を訴えた同社の製品は大きな話題を集めたという歴史があります。

画像出典:GBD((US Registrations) 2594767、DE30336370、DE30333152)

 

当時、缶のブルタブが特殊な形にくり抜かれていることは非常に珍しく、レッドブルのロゴの知名度をあげることにもつながったと言います。データベース上には、缶のパッケージやロゴだけでなく、上記のような、ブルタブの出願商標が多数確認でき、ブランドの地位確立に重要な存在であったことが伺えました。

ブランド育成へ有益なお金の使い方を

レッドブルは売り上げの3分の1を広告やブランド育成などのマーケティング費用にあてることを社内ルール化している企業。創業者の一人であるマテシッツは、「金はいくらでもある」などと考えたことはなく、プロジェクトにとって正しく有益なお金の使い方を常に考えると言います。商標やドメインの取得状況からも、ブランド育成にかける熱い想いや、ブレないブランドへの想いが伺えました。起業から31年、このような取り組みや姿勢が、同社の信頼と新しい市場を開拓と地位確立に結びついたのではないでしょうか。

 

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