競争過熱が加速するシェア自転車、各社の出願商標を比較

ヤフー、フリマアプリ大手のメルカリ、LINE、など、IT企業が相次ぎシェア自転車サービスに参入しています。各企業の出願商標から国内外の「シェア自転車サービス」の盛り上がりをご紹介いたします。

スマホを利用したサービス展開

商標を出願する際には、その商標を使用する商品や役務(サービス)を指定するのですが、その指定された商品や役務が属する業種も合わせて指定します。 この業種のことを「区分」といいます。日本の商標データベースであるJ-PlatPatで、各社の出願商標の区分をまとめた表がこちら。

画像出典:(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage検索結果)

全ての商標に関して、”スマホアプリ”などが対象となる9類と、”自転車の貸与”などが対象となる39類を指定した出願がされています。全てのサービスにおいて、利用者はスマホのアプリなどで自転車を探して予約し、利用後は所定の駐輪場に返却するという仕組みであるため、9類と39類は出願必須の区分であることがわかります。画像引用:https://www.buzzfeed.com/jp/shunsukemori/merchari?utm_term=.nl6jaoqm8#.brWDXE1Ln

一方、黄色で色付けした41類の出願を行っているのは、NTTドコモ社の「ちよくる」のみ。ドコモ・バイクシェアのサイト(http://www.d-bikeshare.com/)において下記赤枠内、ドコモ社のシェア自転車事業における付加価値について伺える内容が記されていました。

実際に、同社の41類の出願商標の指定商品には”子供たち向けの自転車の講習会の企画又は開催及びそれらに関する情報の提供,自転車の安全運転のためのセミナーの企画・運営又は開催”と記されており、今後競争が過熱していくことが予測されるシェア自転車サービスにおいて、自社ならではの特色を加え、他社との差別化を図っていくことが期待できるのではないでしょうか。

国外での動向

世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase(以下略GBD)」で、指定商品名”bicycle sharing”を含む出願商標は80件。下記、出願数の変移グラフです。2017年の47件の出願は、過去出願数と比較すると明らかに多い数字であることがわかります。

また、80件の出願商標の内、15件の出願件数で1番多くの出願を行っているのが「OBIKE ASIA PTE. LTD.」。台湾で最近急速に広がっているObike/オーバイク(https://www.o.bike/tw/)というシェア自転車事業行っている企業です。

出願商標はロゴのみで、出願区分はこちら。9類と39類の出願は国外でも主流であることが裏付けられます。

中国企業の日本への参入が加速

3月7日、モバイルデータ調査のチーターラボ(Cheetah Lab)が初めて発表した「シェア自転車世界発展報告」によると、2017年世界のシェア自転車のユーザー数は2億2,700万人。中国が牽引しているシェア自転車市場でしたが、中国以外の国でも市場が勢いよく発展している結果。文頭でご紹介した、LINE社が提携している企業も中国の企業。また、今月28日からは、中国の自転車シェアサービス大手のofo(オッフォ)が和歌山市で国内初のサービスを始めるなど、中国のシェア自転車企業も国内外で進出を加速させているのです。

1960年代の自転車大国のオランダで導入されたシェア自転車ですが、当初は盗難や破壊などが原因で運用停止になった経緯があります。しかし、近年は IT技術の活用でリスクを減らした仕組みができ盗難や破壊を防ぐことが可能となり、継続的に運用できるビジネスモデルになったことで、更なる事業加速が進んでいるのです。また、車のライドシェアなどの他のシェアサービスに比べるとシェア自転車の規制は厳しくなく、初期投資も比較的小さいため、参入のハードルが低めであることもビジネスの広がりの一因です。一方で、収益性を高めるには台数や地域を拡大する必要があり、競争過熱による企業の他社との差別化の努力が求められることが予測されます。


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