菓子小売業  商標出願のポイント

 

近年の主要菓子メーカーの売上高も横ばいを記録しており、停滞感が強い印象となっています。今後も少子化の影響により国内市場は縮小傾向にあります。国内での成長戦略が描けない今、今後も海外展開は加速するものと見られ今後の動向に注目が集まります。

 

菓子小売業で必要な商標区分は?

菓子小売業界といっても多くの事業が存在します。どのような商標区分を押さえていけばいいのか、具体的な例を見て確認をしてみましょう。

 

菓子小売業業績ランキング上位の”株式会社不二家”の日本の商標登録情報を見てみるとFUJIYA(第5137144号)、FUJIYA(第1940195号)にて、下記のように登録がされています。

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●30類 : 菓子及びパン

●35類 :菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
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その他、様々な会社の例をみると下記のような表にまとめることができます。

 

必要区分一覧

区分 指定商品 代表例
30 菓子及びパン スナック菓子
35 菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
43 飲食物の提供
※各国毎に区分の揺れが多少あるため出願時の確認が必要です。

 

他の業界でも同様のことが言えますが、大手企業がかなり多くの登録商標を所有しているのが特徴です。食品や飲料に関する商品については、商品名だけではなく、製造元を表わすロゴマークやシリーズの名等が表示されるケースが比較的多く、これらの商品に使われる商標は必ずしも1つではなく、複数の商標が同時に使われることが多いのが特徴的と言えます。

菓子業界の大手企業が大量に登録商標を取得していることを考えると、企業規模に関わらず商標登録のことを無視してビジネスを展開してしまうと、いつの間にか他社の商標権を侵害してしまうというリスクが高いと考えられます。

 

補強区分

 

●9類 :ダウンロード可能なスマートフォン用又は携帯電話機用のゲームプログラム、CD、DVD、音楽の電子ファイル、ゲームソフト、電子書籍、携帯ストラップetc.

●20類 :クッション、まくら、プラスチック製包装容器(お弁当箱等)、うちわ、家具、手鏡etc.

●25類 :衣類(Tシャツ等)、帽子、靴etc.

●28類 :おもちゃ、人形etc.

 

スマホのアプリ展開

 

以下、森永製菓株式会社のアプリ(左)と登録商標(右)です。アプリ展開がメジャーとなっている今日。アプリの登録は9類「ダウンロード可能なスマートフォン用又は携帯電話機用のゲームプログラム」等の登録が必要となります。(アプリの内容によりその他登録が必要な区分が発生することがあります。)

 

 

キャラクターの保護とグッズ展開について

 

お菓子業界はキャラクタービジネスも盛んであり、各社企業の顔であるキャラクター商標を登録しています。下記は亀田製薬株式会社のターン王子の登録例です。しぐさや表情ごとに商標登録をしていることがわかります。

 

 

また、株式会社ロッテのコアラのマーチのキャラクターについても第5206465号では25,28類、第5320487号では9,14,16,18,20,24,30,32類と、幅広い区分で保護がなされています。

キャラクターは文房具やマグカップ等のグッズへの商品展開をすることがメジャーとなっているため、商品展開をする各商品9,20,25,28類等での商標登録も必要となってきます。

 

パッケージの保護の重要性

 

スーパーやコンビニなどで、同じ種類のものがまとめて陳列され、販売されるのが一般的です。たとえば、消費者が以前に購入した商品の包装箱の色合いや、文字・写真の構成など、パッケージデザインを記憶して、他の商品と識別することも少なくないでしょう。すなわち、このような商品については、パッケージデザイン全体で商標としての機能を果たすことも考えられるということです。食品や飲料の分野においては、商品名だけでなく、パッケージデザイン全体を商標登録するケースも少なくありません。パッケージデザインというと意匠権による保護が考えられますが、商標権も取得することでより保護が強固になると言えます。

POTE-\LONG\ポテロング(第4239380号)は森永製菓株式会社によって立体商標の登録を行っています。その他、各社パッケージの立体商標登録が確認できました。

 

指定商品は事業内容と伴っているか?

商標は登録を一度したからといって、今後同一の文字列・ロゴでの取得をすることが不要というわけではありません。新しい事業展開があった場合などには、都度商標区分の確認が必要です。検討をする時期の例は以下の通りです。

■ 新規事業立ち上げ時
■ 海外進出検討時
■ 商標制度の変更時