出願商標から垣間見れた、自動車メーカーのVRの利用方法やトレンドとは

家庭用ゲーム機にも登場し、ますます注目を集めている「VR(Virtual Reality)」。VR関連の出願商標から垣間見れた、VRの利用方法をご紹介いたします。

世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase(以下略GBD)」で、指定商品名に“Virtual Reality”を含む商標出願は、21,481件。出願年別に見た件数をグラフ化したものがこちら。

「VR元年」と呼ばれた2016年以降、急激な出願件数の盛り上がりが伺えます。また、グラフへ反映していませんが、2018年に入ってからの出願も既に2,833件と、引き続き「VR」の盛り上がりが伺えます。出願件数が多い権利者上位10社は下記通り。

VRを利用したゲームは、VR利用の主流となっていることから、上位10位内には多くのゲーム関連会社がランクインしています。一方、9位にランクインしたジャガー社は、自動車関連であり、VRの利用方法が気になるところ。ジャガー社の商標を詳しく見ていきましょう。

VRを利用した発表会

2016年11月、ロサンゼルスで同社初となる電気自動車「I-PACE」を発表し、Vive(VR向けヘッドマウントディスプレイ )を使ったVR発表会を行いました。これは、米国と英国の遠隔地の会場から66人がヘッドセットを着用してVR会場に集うという、世界初の試みとなり、大変好評となった発表会でした。続いて、2017年7月に新型コンパクト車「E-PACE」をお披露目した際も、VRを利用した発表会を行い、新車発売にあたって新しい形のマーケティングや発表会を確立しつつあるジャガー社。

出典:https://www.moguravr.com/vr-i-pace-launch-htc-vive/

2016年前半の売上は、昨年同期と比べて24%増加しており、その中でも「VR」がその成長に大きな役割を果たしたといいます。同社のグローバル製品PRディレクターRichard Agnew氏は「今後も自動車業界におけるVRの活用の可能性を模索していきたいと考えている」と語り、参加者の体験を重視して、人々の記憶に残るようなコンテンツを提供することで、同社製品への興味が増し、将来的に販売につながっていくことを考えているのです。

同社は、新型SUV「J-PACE」の開発をトップスピードで進めており、2021年にも登場するのではないかと噂されています。「J-PACE」は2018年5月16日に出願されており、指定商品には、「I-PACE」「E-PACE」と同様に”Virtual Reality”を含む出願をしていることがわかります。

また、「E-PACE」「J-PACE」共に、9類に”Virtual Reality”を記載している出願に変わりないですが、「E-PACE」は”Virtual reality software”1つであった記載が、「J-PACE」は”Virtual reality software”と”virtual reality systems”2つの記載に増えている点が注目する点。今後行われるであろう、「J-PACE」の発表会は、「E-PACE」お披露目時よりも、更に技術力が増した内容で私たちを驚かせてくれることが期待できることが予測できます。

VRを利用した体験試乗

2017年4月より、同社はVRをプロモーションに利用し、発売される前の新型モデルがショールームに届く前に、顧客が一足早く体験できるVR体験キットを導入しています。このように、近年、VRをセールスプロモーションに利用する自動車メーカーが多くなってきているようです。VRの特性を利用した、通常の試乗では味わえない経験を提供することにより、車への関心度が高まることが期待され、車を購入するプロセスへ影響し、売り上げに貢献すると考えられています。

同社は、体験試乗を表す”Simulators for simulating the operation of land vehicles(陸上車両のシミュレーションをシミュレートするシミュレータ)”を指定商品に記した商標を、91件出願をしています。2016年以降の同様の指定商品で”自動車”等が対象となる第12類の出願件数が多い権利者を確認してみたところ、上位5社はこちら。

2~5位にランクインした企業はいずれも大手自動車メーカーであることがわかります。顧客に模擬体験を与えることをセールスプロモーションに利用することは、本業界ではトレンドであり、いかに模擬体験を大きな感動的体験とし、売り上げにつなげられるかが重要なポイントとなることが伺えます。

出願商標から垣間見れるトレンド

このように、業種にフォーカスを当て出願商標を見ていくことで、その業種でのVRの利用方法やトレンドが垣間見れることがわかりました。また、同社の出願件数遷移からは、VR技術を今後も継続して活用していく意向が伺えたのではないでしょうか。

 

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