世界一のおもちゃメーカーLEGO社の「愛されるブランド作り」3つの思いとは

4月28日、名古屋市港区のテーマパーク「レゴランド・ジャパン」に隣接する「レゴランド・ジャパン・ホテル」が開業しました。レゴランドは昨年4月にテーマパークが開業し話題となり、今後、更なる集客アップが加速するかが注目されます。

おもちゃ業界のappleと揶揄される、デンマーク出身の巨大玩具企業Lego社。世界一のおもちゃメーカーとなったLEGO社の「愛されるブランド」作りの3つの思いをご紹介いたします。

世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase(以下略GBD)」では、LEGO Juris A/S(レゴ ジュリス エー/エス)が出願人名で、761件の出願商標が確認できます。「LEGOLAND」商標は9,16,18,19,20,21,25,28,41,42類の区分で出願しており、使用を想定した事業範囲での商標取得を行う傾向であることが伺えます。

 

類似商品との闘いと立体商標への思い

レゴの特許が切れた1988年以来、競合他社が相次いで廉価な類似品を販売しはじめました。これら他社製品の多くは、レゴブロックと互換性があり、価格が安く設定されていたことなどから、LEGO社の売上が減少した時期がありました。にもかかわらず、そうしたライバルを退け、売り上げ、ブランドの頂点に立ち続けているのです。

LEGO社は1999年にEUでレゴブロックの形状を商標登録しましたが、2004年にはEU商標当局によりこの登録が取り消されたため、これを不服として商標を認めるよう裁判に訴えていました。しかし、2010年9月、EUの欧州第一審裁判所はLEGO社のブロックの形状の商標を認めないという判決を下し、EU圏にて競合他社による類似品の販売が許可されることとなったという苦い過去を持ちます。

一方、日本の商標データベースであるJ-PlatPatで、LEGO社が下記立体商標を出願中であることが確認できます。LEGO社は立体商標の登録が2件あるものの、これらの商標はおもちゃ等が対象である区分である第28類の指定はされていないため、現在出願中の商標が登録に至れば、おもちゃ等が対象である第28類を指定した立体商標としては国内では初めてのLEGO社立体商標の登録となるのです。

画像出典:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage、(左)商願2017-002542(右)商願2017-138422

立体商標においても時期を見て、積極的な商標登録を進める同社の姿勢からは、レゴブロックの形状への強い拘りが伺えると共に、今後の日本特許庁の判決の行方が気になります。

 

おもちゃの枠を超えた教育に対する思い

レゴは子供向けのブロック製品としてだけでなく、子どもたちの想像力や創造性を刺激する教育製品としても成り立っており、現在では中学、高校、大学などの高等教育の場だけでなく、企業の若手から幹部研修まで幅広く人材開発の教材としてレゴブロックが利用されています。

同社が”education(教育)”を指定商品に記して出願をしている商標は103件。29区分(/45区分中)もの幅広い区分で出願を行っていることがわかります。

その中で、2017年以降の出願”BUILDING BIGGER THINKING”の出願。現在の形のレゴブロックの特許出願60周年を記念して、Building Bigger Thinking という新しいレゴのシリーズが誕生しました。

画像出典:https://shop.lego.com/en-US/World-Fun-10403

商品紹介ページには商品説明に「子供たちの創造力を存分に発揮して」というメッセージが記されています。”教育”などが対象である第41類だけではなく、多岐に渡る区分で”教育”を指定した出願を行っていることから、「子どもの創造力を伸ばす」教育へ力をいれるLEGO社の姿勢が伺えるのではないでしょうか。

 

複数形も!ブランドへの思い

レゴという名前は、LEGO社の玩具を指す言葉としても使われるようになっています。多くの人がレゴブロック自体を”レゴ”と呼び、さらには類似のプラスチック製ブロックも”レゴ”と呼ばれることがあります。LEGO社としては、このような”商標の普通名称化”を避けるべく、1970年~1980年代のレゴのカタログには、ブロックについて「レゴ」ではなく「レゴブロック」と呼んで欲しいという希望を記載する等、取り組んで来ました。

また、その複数形である「LEGOS」という言葉でも普通名称化されてきていることを察知した同社は、legos.comというドメインネームを登録し、そこからlego.comにユーザーを転送させた上で、legos.comにアクセスしてきたユーザーへ「あなたはLEGOの商品を探していませんか」というメッセージを載せ、ブランドの普通名称化対策を講じていました。(現在サイトは閉鎖されています)

legoblock.com
legoblocks.com

また、上記ドメイン名においても同社が登録をしており、サイト稼働はしていないものの、ブランド名の複数形までを重要文字列と考え、登録を行っているのです。このように、商標とドメイン名の両面から普通名称化対策へ取り組んでおり、レゴブランド力の高さがこのような取り組みから築きあげられたものであることが伺えるのでした。

 

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