流行の”ミラーネイル”が使用できなくなる?「ネイルサロン事業主が知っておきたい商標知識」

世界の中でも最先端の技術とネイルアートの流行最先端を誇る日本のネイル産業。唯一の業界団体である日本ネイリスト協会(JNA)の発表によると、ネイル産業は今や2,000億円の大台に乗り、女性のファッションに欠かせない「習慣」へと成長を遂げているといいます。

女性のみに留まらず、男性専用のネイルサロンなども登場し、男性用の爪やすりやネイルキットの販売も確認できます。男性のネイルケアは身だしなみの定番として定着をし、今後盛り上がりを見せていくのかもしれません。

海外、国内の商標データベースから、「ネイルサロン事業主が知っておきたい商標知識」をご紹介いたします。

データベースから「ネイル」のトレンドを読み解く

海外のデータベース

世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase(以下略GBD)」で、指定商品名に”nail(ネイル)”を含む商標出願は、12,160件。

出願件数の多い権利者TOP10はこのようになっています。

上位10社の内4位、5位、9位の3社が韓国という結果からも、韓国が美容大国と呼ばれ、化粧品業界の盛り上がりが伺えます。

出願日2017年、2018年に絞り最新の出願傾向を確認したところ”F&CO CO., LTD.”社の出願の多さが気になりました。53件の出願で同期間の出願件数は3位にランクインします。次にご紹介いたします。

F&CO CO., LTD.(韓国)の出願傾向

日本でも多くのアーティストや美容ジャーナリストなど、美容業界からも絶大な人気のアーティストコスメブランドbanila co。53件の出願の内多くの商標で3,35類の出願を行っていました。

画像出典:http://www.banilaco.com/main/main.do

35類において”インターネットによる包括的なショッピングモール、すなわち化粧品のオンライン販売。”を指定し、カナダ、シンガポール、アメリカ、フィリピンへの出願を行い、国内外におけるネットショッピングサイトでの販売に注力していることが伺えます。

下記、2008年以降の出願数の遷移をグラフ化したものです。注目して見ていただきたいのは35類の出願数の推移です。2007年には648件だった出願数が年々増加をし、2017年には2,603件に増えています。

オンラインショップや通販サイトの出願がメジャー

今やオンラインショップでの販売は業種に関わらず、メジャーな事業展開となっています。化粧品やエステなどの美容関連商品を扱う通販サイトは、美容関連商品の小売等サービス(35類)について商標登録 を受ける必要があります。

 

「フレンチネイル」や「マーブルネイル」などは比較的メジャーなネイルアート名のため、多くの方が聞いたことがあるのではないでしょうか。

「魚の鱗ネイル」「ユニコーンネイル」「ニュアンスネイル」「マグネットネイル」「ワイヤーネイル」など、聞きなれないようなネイルアート名。どれもGoogleTrendsで「ネイル」を検索すると上位にあがってくるトレンドのネールアート名です。

これらのネイルアートは、人気モデルや有名人が施していたり、SNSなどを通じて凄まじい勢いで流行り、トレンドワードとして広がっていきます。多くのネイルサロンでも使用していることが確認できます。

 しかし、これらのネイルアート名は自由に使用していいものなのでしょうか。 続いて日本国内の商標出願状況を確認してみましょう。

 

日本のデータベース

国内商標データベースで、「○○ネイル」を検索した結果254件の出願商標が確認できました。

今流行の”ミラーネイル”は、3類のつけづめと、44類のネイルアートで出願中であります。今後登録が認められた場合、その事業範囲において第三者が使用することは認められなくなります。

 

日本の商標制度の理解と登録の検討の必要性

日本の制度は先願主義のため、商標登録は先に使用した者に対してではなく、先に出願した者にその商標に対する権利があるとされます。そのため、商標登録せずに使用していた場合、広告物の刷り直しや、損害賠償の請求に発展してしまう場合があります。

上にご紹介した内容は一部ですが、つけづめに対して”ミラーネイル”や、ネイルアートに対して”美人ネイル”など、登録商標の名称を安易に使用することで法に触れてしまうことになることを理解しておく必要があります。

また、ネイルアート名に限らずサロン名などについても、検討適切な権利取得を行うことの検討は必要です。

 

インターネットが普及してる現代。事業規模が小さいから、他社の商標権を侵害していても気づかれないという考えは危険であり、商標出願の検討は事業規模の大小に関わらない問題なのです。