最新の出願動向で学ぶ「IoT」 日系企業のIoTは出遅れているのか

最新の出願動向で学ぶ「IoT」 日系企業のIoTは出遅れているのか

Internet of the Things(モノのインターネット)の略である「IoT」。

IoTは導入企業における投資意欲が非常に高く、すでに業界や業態を問わず広範の分野で活用されており2018年は、IoTの現実化に向け、より多くのアイデアや複雑な問題に取り組み、実現へ向け段階を進むことが予測されています。

 

2017年の約4,850億円から2020年に1兆3,800億円へと急速に拡大すると予測がされている注目の「IoT」。

最新の出願動向から「IoT」動向をご紹介させていただきます。

 

 

指定商品”Internet of Things”

世界最大の商標データベース「GlobalBrandDatabase(以下略GBD)」で、指定商品名に”Internet of Things”を含む商標を検索した結果が 3,065件 。”Virtual currency(仮想通貨)”を同様に検索した結果数が1,175件であることらも、「IoT」への注目度の高さが伺えます。

 

「IoT」出願数の多い上位権利者はこちら。

韓国、アメリカ、ヨーロッパが強いことが伺えますね。1位のLG社の出願動向はどのようなものでしょうか。

 

〈Pick up〉権利数1位「LG社」の出願傾向とは?

678件の圧倒的な件数で1番多くの出願を行っている韓国大手のLG社。2017年9月、日本経済新聞が”韓国LG電子は27日、約6000億ウォン(約590億円)を投じて白物家電の「スマート工場」を2023年に韓国南部に新設すると発表した。”と報じていることからも、同社が「IoT」市場に注力している姿勢が伺えます。

 

 

LG社のIoT商品のひとつが「外出先からスマホで操作できる、ドラム式+縦型のIoT洗濯機」。

ドラム式の洗濯層と縦型の洗濯層を両方備えたという2層式の洗濯機で、Wi-Fiも搭載しており、外出先でスマホから稼動操作が行えるIoT家電の側面も持っているとのこと。LG社の「ツインウォッシュ」は世界40カ国以上で発売されましたが、昨年の2017年には80カ国に販路が大幅に拡大され販売好調となった商品とのこと。

 

 

 

 

LG社の出願内容を確認したところ、「H40」「F20」「W90」等のローマ字と数字を組み合わせたネーミングの出願や、「IoTChef」「IoTRecipe」「IoTCooking」「IoTRelaxing」「 IoTDriving」等、「”IoT”+生活に関わるワード」を組み合わせたネーミングの出願が多数確認できました。

これらは主に9類を指定し、出願国はヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、カナダ。

 

〈Pick up〉「IoT」を商標名に含む出願とは?

LG社は「IoTChef」「IoTRecipe」「IoTCooking」「IoTRelaxing」「 IoTDriving」等、「”IoT”+生活に関わるワード」を組み合わせたネーミングの出願が多数確認できましたが、「IoT」を商標名に含む出願傾向はどのようなものでしょうか。

 

「IoT」を商標名に含む検索結果は 664件 

その内、日本企業が権利者であるものは60件。これはアメリカ(175件)、韓国(160件)、ヨーロッパ(65件)に次ぎ4番目に多い数字となります。

出願内容を確認したところ、株式会社LIXILによる「IoT house(5842426)」や、富士通株式会社による「FUJITSU IoT Navigator(5864433)」等、出願人は大手企業、中小企業や個人等様々なものが確認できました。

”IoT”というキーワードに様々な文字列を組み合わせるネーミングは多く存在し、IoTというキーワードがいかにトレンドであるかということが伺えます。

 

その他”Internet of Things”の出願と指定商品

〈Pick up〉権利者「FACEBOOK, INC.」

世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービスを提供している、Facebook社。

指定商品名に”Internet of Things”を含む商標を7件出願しており、直近の出願は2017年12月29日のもの。

41類のIoT出願

 

〈Pick up〉権利者「Vodafone Group Public Limited Company」

世界最大の多国籍携帯電話事業会社であるVodafone社。

指定商品近名に”Internet of Things”を含む商標を19件出願しており、直の出願は2017年12月15日のもの。

ロゴの出願を筆頭に、「V-kids」「V-Life」「V-Pet」等、”IoT”と生活に関わるワードを組み合わせたネーミングの出願が複数確認でき、携帯電話事業にとどまらず広い範囲でのIoT事業参入が想像できます。実際に、IoT事業分野において、Vodafone社は主要業界アナリスト会社により、通信サービスプロバイダーの中でIoTのグローバルリーダーとして評価されているほど。

 

9,38,42類のIoT出願

 

〈Pick up〉権利者「KABUSHIKI KAISHA TOSHIBA」

日本の大手電機メーカーであるTOSHIBA社。

指定商品名に”Internet of Things”を含む商標を6件出願しており、全て2017年度に出願を行っていることがわかります。

IoTをイメージしたようなロゴの出願や、”meister(名人)”を含むネーミング多いことが特徴ではないでしょうか。

 

9,42類のIoT出願

 

日系企業のIoTは出遅れているのか

 

 

 

HPE Arubaにより、日系企業のIoTに関する姿勢が消極的であることを浮き彫りにする調査結果が発表されました。IoTの理解度を示すランキングでは日本は最下位の20位。普及率では19位になり、IoTの理解度、普及率ともに日本は最下層であることが露わになりました。

参考:http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1704/20/news017.html

 

 

 

 

 

 

確かに日本で暮らしていて、日常においてIoTが普及していると感じることはあまりないのではないでしょうか。

韓国LG社の製品が販売され人気を博している動向や、他国の商標出願数から見ると、日本のIoTの普及度合は海外のIoTの動向から少し出遅れているのかもしれません。

しかしながら、出願動向を確認すると日本企業の「IoT」を含む商標の出願数が4位であることや、日本を代表する企業の東芝社等の具体的な出願動向から、日本企業のIoTへの動向を感じることができ、2018年度の動向にも引き続き注目をしたいと思いました。

 

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