.appの多量な登録件数は、大きな成功か? 侵害者の思うつぼか?

2018年5月25日にGDPRが適用されました。この適用開始の結果、すでに多くの米国サービスは、EUからのアクセスを制限していることなどが確認できます。

また、ドメインネームの世界でも、一部の情報を非開示にする必要があり、すでに「.shop」を運用するレジストリや、世界的規模で管理登録件数の多いレジストラであるGoDaddyは、ドメインネーム登録者情報を非開示にしています。

.appの成功の裏に潜む危険

これと同様に、Googleが運用する「.app」の登録者情報も非開示にしています。「.app」は、登録受付時点から、WHOIS上の登録者情報が非開示となっており、ある意味画期的な新gTLDのリリースの幕開けでした。2018年4月30日にサンライズが終了し、5月8日に一般登録が開始された後、凄まじい勢いで登録件数が急増。現時点での登録数は約240,000件と非常に人気が高いTLDに成長しています。「.app」は、ドメイン登録の大きな成功にみえますが、一方で、登録情報が非開示となっているため、 サイバースクワット (サイバースクワッティングを行う者)などの侵害者が横行しやすいTLDでもあります。

サイバースクワッティングとは
第三者が有名企業やブランド名、有名人の名前などでドメインネームを取得し、高額で販売したり、ユーザーをフィッシングサイトへ誘導することをサイバースクワッティング(Cyber Squatting)と言います。

情報が非開示になるとは

ForbesのThe World’s Most Valuable Brands(世界的に価値の高いブランドランキングTOP100)のブランドを調査すると、全文字列が登録されています。その内、およそ半分がサンライズ中に登録され、残りの半数はサンライズ後の登録であり、これら全てのドメインの権利者がブランド権者であるか否かは、非開示のWHOIS上、簡単に判断はできません。

現時点での、「.app」を対象にしたドメインネーム紛争解決手続き中の案件を調査した結果、6件の URS と3件の UDRP がありました。

URSとは
Uniform Rapid Suspensionの略語。
多くのgTLDがリリースされることで、ドメインネームの選択肢が増える一方、第三者によって登録されるリスクも高くなりました。これによりICANNが導入したのがURSです。URSは「統一早期凍結」のことで、侵害サイトを迅速にシャットダウン(凍結)する制度です。
UDRPとは
Uniform Domain Name Dispute Resolution Policyの略語。
ドメインネームの紛争を解決するための「ドメインネーム統一紛争解決処理方針」です。不正な目的でドメインネームが登録・使用されている場合、該当ドメインネームを削除または移転する奪還制度です。第三者が自社の社名や商品・サービス名と同じ文字列のドメインネームを取得した場合、UDRPは安全且つ有効な手段となります。

GDPRの影響を受け、大きくブランド権者に影響を及ぼしていることが、この件数から伺えるのではないでしょうか。今後、侵害登録のドメインネームの対策をより工夫する必要があります。

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